Taro Nojiri

Taro Nojiri

JSPS postdoctoral fellow

Juntendo University

Biography

脊椎動物の呼吸器と聴覚器の形態進化を研究しています.
For English.

My CV is available here.

Interests
  • 進化発生学 | Evo-Devo
  • 生物音響学 | Bioacoustics
  • 発生遺伝学 | Developmental Genetics
Education
  • 博士 (農学), 2022

    東京大学大学院 農学生命科学研究科

  • 修士 (環境科学), 2019

    北海道大学大学院 環境科学院

  • 学士 (理学), 2017

    北海道大学 理学部 地球惑星科学科

News

2024.7/19
主著論文がThe Anatomical Recordから出ました。日本産アオダイショウの産卵後発生と頭骨形態形成の記載, 前耳骨の進化分析を行いました。ヘビ類は鼓膜, 外耳道を消失したことで気導音の聴取能力を失いました。代わりに, 下顎, 方形骨, 上側頭骨, 前耳骨間に関節を構築し, 地面を伝う固体振動音の聴取能力を獲得しました。本研究では, 前耳骨の骨化時期がアオダイショウ含むナミヘビ科の系統でピット器官を有するクサリヘビ科やニシキヘビ科の系統と比較して早期化していることを明らかにし, 発生の時間的変異と聴覚への依存度の関連性について論じました。

2024.2/7
主著論文がEvoDevoから出版されました。キクガシラコウモリ類の喉頭・音声発達の対応関係の構築・および超音波発信に寄与する内喉頭筋の形態・神経支配のマウスとの比較を行いました。若手研究のプロジェクトの一環です。

2023.2/28
若手研究に採択されました。
哺乳類の生物音響学-分子生物学-比較形態学の統合研究の第一歩です。

2023.1/11
コウモリ類の胎子期四肢形成のヘテロクロニー (=進化に伴う発生の時間的改変現象)を分析し, 自由飛行・大足把捉能力進化との関連性を議論した論文がProceedings of the Royal Society B: Biological Sciencesから出ました. コウモリはその飛行能力から前肢に目が行きがちですが、後肢にも形態学・発生学的な逸脱がみられます. 紹介記事はこちら

2022.4/1
所属が順天堂大学 大学院医学研究科 解剖学・生体構造科学講座に移りました. 日本学術振興会特別研究員PDとして, 哺乳類の聴覚系の進化発生学研究を推進します.

2022.3/24
東京大学農学生命科学研究科農学国際専攻博士課程を修了し, 博士号 (農学)を取得しました. また修了にあたり, 同研究科の研究科長賞を受賞しました. 今後とも進化発生学者として, より一層気を引き締めて研究に臨みたいと思います.

2022.1/20
日本学術振興会 育志賞を受賞しました. コウモリ研究がもっと脚光を浴びるよう, 一層精進します.

日本学術振興会 育志賞

2021.8/28 - 31
日本哺乳類学会2021で以下のポスター発表を行いました. P-042では優秀ポスター賞をいただきました.

P-042 胎子期発生からひも解くコウモリ類のエコーロケーションの進化的起源 〇野尻 太郎1, Laura A.B. Wilson2, Camilo Lopez-Aguirre3, Vuong, Tu Tan4, 福井 大1, 遠藤 秀紀1, 小薮 大輔5,6(1東京大学, 2オーストラリア国立大学, 3トロント大学, 4ベトナム科学技術アカデミー, 5筑波大学, 6東京医科歯科大学)

P-040 コウモリ類における雄生殖器の三次元比較解剖学的研究 〇JoonHyuk Sohn1, Vuong Tan Tu2, 福井 大3, 野尻 太郎4, 木村 順平1, 小薮 大輔5,6(1ソウル大学 獣医学部, 2Institute of Ecology and Biological Resources, Vietnam Academy of Science and Technology, 3東京大学 北海道演習林, 4東京大学 大学院農学生命科学研究科, 5筑波大学, 6香港市立大学)

P-043 旧世界コウモリ類における喉頭器官の三次元比較解剖と超音波発声の多様性進化 〇Brualla Nicolas1, Laura Wilson2, 野尻 太郎3, Michael Doube1, Vuong Tan Tu4, 福井 大3, 小薮 大輔1,5(1City University of Hong Kong, 2Australian National University, 3東京大学, 4Vietnam Academy of Science and Technology, 5筑波大学)

2021.3/6
コウモリ類のエコーロケーションがコウモリ類内で収斂進化していることを比較発生学的に突き止めた主著論文がCurrent Biologyに掲載されました. 本論文が私の博士論文の核, 学振の研究のゴールとなります.

Embryonic evidence uncovers convergent origins of laryngeal echolocation in bats.

東京大学プレスリリース

本研究は日本經濟新聞, オーストラリア国営放送ABC, 科学雑誌 The Conversation, コロンビア最大手新聞 El Tiempoにて取り上げられています.

日本經濟新聞

The Conversation

El Tiempo

2021.3/9
ヘッケルの反復説をコウモリの胎子期頭蓋骨形態形成から再検証した主著論文がJournal of Experimental Zoology Bに掲載されました.

“On the sequence heterochrony of cranial ossification of bats in the light of Haeckel’s recapitulation theory. "

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jez.b.23042

2021.3/8
新ステージング手法Standard Event System (SES)に基づいてヒナコウモリの胚発生ステージングおよび蝸牛発生記載を行った主著論文がdevelopmental dynamicsに掲載されました. 本論文は私の修士論文の第1章を飾った論文になります.

“Embryonic staging of bats with special reference to Vespertilio sinensis and its cochlear development. "

https://anatomypubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/dvdy.325

2021.2/8

コウモリ類の鼻甲介 nasal turbinateの相同性を発生学的に再検討した共著論文がFrontiers in Cell and Developmental Biologyに掲載されました.

“On the embryonic development of the nasal turbinate homology in bats. "

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fcell.2021.613545/abstract

2020.10/19

日本産キクガシラコウモリ類 Rhinolophus ferrumequinumの雄生殖器形態を記載した共著論文がJournal of Mammalian Evolutionに掲載されました.

“Three-dimensional and histological observations on male genital organs of greater horseshoe bat, Rhinolophus ferrumequinum. "

https://link.springer.com/article/10.1007/s10914-020-09525-6

2020.4/1 - 6/30

新潟県でコキクガシラコウモリRhinolophus cornutusの調査を行いました.

2020.3/1 - 3/10

ベトナムでコウモリ類の調査を行いました (ホーチミン).

2019.10/15 - 11/15

研究出張で香港に滞在しました.

2019.7/27 - 8/3

国際コウモリ学会でタイに滞在しました (プーケット).

2019.7/19 - 7/26

国際脊椎動物形態学会 (ICVM)でチェコに滞在しました (プラハ).

2019. 4/1

東京大学 農学生命科学研究科 / 総合研究博物館の博士課程に進学しました.

日本学術振興会 特別研究員 (DC1) として, 修士課程に引き続きコウモリ類の進化発生学研究を推進します.

2019. 3/31

北海道大学 環境科学院 修士課程を修了しました.

同研究科の修士論文最優秀賞を受賞しました.

2019. 3/15-19

日本生態学会で兵庫県に滞在しました (神戸国際展示場).

2018. 10/12

日本学術振興会特別研究員 (DC1)に面接免除で採用内定. コウモリ類のエコーロケーションの進化的起源の解明を目指します.

2018. 3/14-18

日本生態学会でポスター発表しました (札幌コンベンションセンター).

2018. 2/28
ベトナム産キクガシラコウモリ類 Rhinolophus thomasiの頭骨 & 蝸牛発生を記載した主著論文がJournal of Morphologyに掲載されました.

“Prenatal cranial bone development of Thomas’s horseshoe bat (Rhinolophus thomasi): with special reference to petrosal morphology. "

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jmor.20813

Skills

Amira

器官形態の三次元構築
ソフトウェア

Mesquite

進化動態の解析,
形態情報の祖先型復元,
進化速度推定など

R

行動・生態・形態情報の統計解析

Immuno-
histochemistry

抗体を用いた
骨, 軟骨, 筋肉, 神経の
可視化

Bioacoustics

音声の録音.
Echo Meter Touch,
Kaleidoscopeによる
コウモリ超音波の解析

Histology

(クライオ)ミクロトームによる(凍結)組織切片作成, 各種染色

EvoDevo × Bioacoustics

A
B
C
D
E
F

Experience

 
 
 
 
 
順天堂大学大学院医学研究科
解剖学・生体構造科学講座
日本学術振興会特別研究員PD
協力研究員
順天堂大学大学院医学研究科
解剖学・生体構造科学講座
Apr 2022 – Present 東京
supervisor: Masaki Takechi
脊椎動物の耳鼻咽喉形態の進化発生学的研究
 
 
 
 
 
東京大学農学生命科学研究科農学国際専攻
東京大学総合研究博物館 遺体科学研究室
日本学術振興会特別研究員DC1
博士課程 大学院生
東京大学農学生命科学研究科農学国際専攻
東京大学総合研究博物館 遺体科学研究室
Apr 2019 – Mar 2022 東京
supervisor: Daisuke Koyabu & Hideki Endo
コウモリ類の飛行・反響定位器官の進化発生学的研究
 
 
 
 
 
北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻
野生動物生態学研究室
修士課程 大学院生
北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻
野生動物生態学研究室
Apr 2017 – Mar 2019 北海道
supervisor: Daisuke Koyabu & Takashi Saitoh
コウモリ類の四肢形成と飛行・繁殖生態の進化
 
 
 
 
 
北海道大学理学部地球惑星科学科 地球惑星システム科学講座
学士課程
北海道大学理学部地球惑星科学科
地球惑星システム科学講座
Apr 2013 – Mar 2017 北海道
supervisor: Tsuyoshi Watanabe
ハワイ産ハマサンゴの種分化

Grants

日本学術振興会
若手研究 (¥4,680,000)
日本学術振興会
特別研究員奨励費 PD (¥5,200,000)

Publications

Presentation

〇国内学会
-2022-

野尻 太郎, 福井 大, 遠藤 秀紀, 小薮 大輔. 胎子期発生から紐解くコウモリ類のエコーロケーションの進化的起源. 日本解剖学会 (オンライン) [企画シンポジウム: 異分野融合による形態進化学の新たな展開], 2022. 3/28

野尻 太郎, Laura A.B. Wilson, Camilo Lopez-Aguirre, Vuong, Tu Tan, 福井 大, 遠藤 秀紀, 小薮 大輔. 胚発生・化石記録の統合解析による翼手類の反響定位の進化的起源の解明. 日本生態学会 (オンライン) [ポスター発表], 2022. 3/14-19

-2021-

野尻 太郎, Laura A.B. Wilson, Camilo Lopez-Aguirre, Vuong, Tu Tan, 福井 大, 遠藤 秀紀, 小薮 大輔. 胎子期発生からひも解くコウモリ類のエコーロケーションの進化的起源. 日本哺乳類学会 (オンライン) [ポスター発表], 2021. 8.28-31

JoonHyuk Sohn, Vuong Tan Tu, 福井 大, 野尻 太郎, 木村 順平, 小薮 大輔. コウモリ類における雄生殖器の三次元比較解剖学的研究. 日本哺乳類学会 (オンライン) [ポスター発表], 2021. 8.28-31

Nicolas Brualla, Laura Wilson, 野尻 太郎, Michael Doube, Vuong Tan Tu, 福井 大, 小薮 大輔. 旧世界コウモリ類における喉頭器官の三次元比較解剖と超音波発声の多様性進化. 日本哺乳類学会 (オンライン) [ポスター発表], 2021. 8.28-31

野尻 太郎, 福井 大, 小薮 大輔. 超音波器官の胎子期発生から解き明かすコウモリ類のエコーロケーションの進化的起源. 日本進化学会 (オンライン) [企画シンポジウム: 発生から見る形態の変わりやすさと変わりにくさ], 2021. 8/18-21

-2020-

鳥海 夏葉, 福井 大, 木村 順平, 小薮 大輔, 久保 麦野, 野尻 太郎, 鈴木 牧. 日本産コウモリの骨盤形態の比較. [ポスター発表], 日本進化学会 (オンライン), 2020. 9.6-9

野尻 太郎, 福井 大, Vuong Tan Tu, Ingmar Werneburg, 齊藤 隆, 遠藤 秀紀, 小薮 大輔. Prenatal auditory development sheds light on the evolutionary origin of the echolocation in bats. [口頭発表] , 日本生態学会 (名城大学, 愛知県), 2020.3.4-8

-2019-

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, Vuong Tan Tu, 福井 大, 齊藤 隆, 遠藤 秀紀, 小薮 大輔. 翼手類の四肢形成の特異性と生態学的要因. [口頭発表], 日本哺乳類学会 (中央大学, 東京都), 2019.9.14-18

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, Nguyen Truong Son, Vuong Tan Tu, 福井 大, 齊藤 隆, 遠藤 秀紀, 小薮 大輔. Does prenatal development support a single origin of laryngeal echolocation in bats? [口頭発表], 日本進化学会 (北海道大学, 北海道), 2019.8.7-10

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, 福井 大, 齊藤 隆, 小薮 大輔. 翼手類の進化に伴う四肢形成の長期化. [ポスター発表], 日本生態学会 (神戸国際展示場, 兵庫県), 2019.3.15-19

-2018-

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, 福井 大, 齊藤 隆, 小薮 大輔. 日本産ヒナコウモリの胚発生記載. [ポスター発表], 日本哺乳類学会 (信州大学 伊那キャンパス, 長野県), 2018.9.7-10

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, 福井 大, 齊藤 隆, 小薮 大輔. 哺乳類におけるコウモリ目の胎子期器官形成の特異性. [口頭発表], 日本進化学会 (東京大学 駒場キャンパス, 東京都), 2018.8.22-24

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, Ngyuen Truong Son, Vuong Tan Tu, 小薮 大輔. キクガシラコウモリの蝸牛発生の特異性と超高周波音利用. [ポスター発表], 日本生態学会 (札幌コンベンションセンター, 北海道), 2018.3.14-18


〇国際学会
-2022-

Nojiri, T., Lopez-Aguirre, C., Wilson, L., Tu, V.T., Fukui, D., Koyabu, D. Evolution and development of echolocation apparatus in bats. [oral session] The 3rd Young Researcher Meeting Morphology 2022 (Georg-August Universität Göttingen, Germany), 2022.2.24-26

-2019-

Sohn, J., Koyabu, D., Nojiri, T., Noh, H., Kimura, J. A 3D anatomical study using µCT images for the male genital organs of greater horseshoe bat. [poster session] The 18th International Bat Research Conference (Phuket, Thailand), 2019.7.28-8.1

Koyabu, D. & Nojiri, T. Evolution of developmental sequence in bats and its peculiarity among mammals. [oral session] The 18th International Bat Research Conference (Phuket, Thailand), 2019.7.28-8.1

Ito, K., Nojiri, T., Koyabu, D. On the development of the nasal capsule and turbinate homology in Laurasiatherians, with special reference to bats. [oral session] The 12th International Congress of Vertebrate Morphology (Prague, Czech), 2019.7.21-25.

Koyabu, D. & Nojiri, T. Prenatal development of echolocation-related traits in bats and the origin of laryngeal echolocation: single origin or convergence? [oral session] The 12th International Congress of Vertebrate Morphology (Prague, Czech), 2019.7.21-25.

Nojiri, T. & Koyabu, D. Does prenatal development support a single origin of laryngeal echolocation in bats? [poster session] The 12th International Congress of Vertebrate Morphology (Prague, Czech), 2019.7.21-25.

Sohn, J., Nojiri, T., Koyabu, D., Kimura, J. A 3D anatomical study using μCT images for the male genital organs of Greater horseshoe bat Rhinolophus ferrumequinum. [poster session] The 10th Joint Symposium of Veterinary Research in East Asia (Gifu Pref., Japan), 2019.2.18-19.

-2018-

Nojiri, T., Werneburg, I., Son, N. T., Tu, V. T., Koyabu, D. The specific development of the cochlea and use of the ultrasonic sound in Thomas’s horseshoe bat. [poster session] The 8th EAFES International Congress (Aichi Pref., Japan), 2018.4.21-23.


〇シンポジウム
-2019-

野尻 太郎. 超音波器官形成から捉える翼手類のエコーロケーションの進化的起源. [口頭発表] 第7回 生態進化発生コロキウム (東京大学 駒場キャンパス, 東京都), 2019.12.27

-2018-

野尻 太郎. 翼手類の飛行進化に伴う四肢形成の長期化. [口頭発表] 第6回 生態進化発生コロキウム (東京大学 駒場キャンパス, 東京都), 2018.12.28

野尻 太郎, Ingmar Werneburg, 福井 大, 齊藤 隆, 小薮 大輔. 哺乳類におけるコウモリ類の胎子期器官形成の特異性. [口頭発表] EvoDevo青年の会 (東京大学 駒場キャンパス, 東京都), 2018.8.21

-2017-

野尻 太郎. 翼手目のエコ―ロケーションの進化的起源. [口頭発表] 第5回 生態進化発生コロキウム (東京大学 駒場キャンパス, 東京都), 2017.12.28

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